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スシローで蛸を捕食する幻想 [食べ歩き]

昨日、妻が簿記三級に受かった後。
お祝いムードでスシローに行った。

妻は少食なので、
好きなものを好きな量だけ食べられる
回転寿司と相性がいいのだ。
(私も、今年の抱負は「腹八分目」でもあるし)

というわけで、
ふたりとも好きなものを適度に注文して
楽しく過ごした。
中トロが期間限定で安かったので
けっこう食べた。
そして、最後に選んだ品は。

「タコさんウインナー包み」

これは美味しいに決まってる。
お寿司というより、おにぎりではないだろうか。
運動会のお弁当のようだ。

珍しいメニューなので、
丁重に写真を撮ってからいただきます。

IMG_3714.jpeg

む、これは…

写真を撮った私の脳裏に、ヴィジョンが見えた。
黒い海苔が敷いてある。
海苔の上に、炊き立ての温かいご飯が乗っている。
ご飯が美味しそうなので、タコたちが寄ってくる。
そんな光景だ。
平和でのどかな時の、『ちいかわ』のような世界。

しかし、2匹がご飯にかじりついた瞬間、
巨人の手が迫り、海苔を巻き上げ、タコもご飯も包んでしまう。
そして、タコたちは巨人の夕食になる。
無情で容赦無い、『進撃の巨人』のような世界。

「もう食べていい?」

という妻の言葉で我に返った。

「うん、もちろん」

スマホを置いて、ふたりで食べる。
妻はタコ1つ、私は残り全部。
見た目通りの美味しさだった。

それにしても私としたことが、
一瞬とは言え、愚かな幻想に取り憑かれてしまっていた。
食べられるタコに対する情など、この場では不要。

「美味しいね、魚肉ソーセージ」

自分自身に言い聞かせるように、
妻にそう伝えた。

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