絶望の中の絶望はいずれ訪れるのかもしれない。が今はデスクバイクを漕ぐ

月曜の朝、chocoZAPのデスクバイクを漕ぎながら
レターパックの宛名を書く。

「レターパックで現金送れは全部詐欺です」

という、有名なフレーズがあるが、詐欺ではない。
事情を知らない人が見たら意味不明なだけだが
昨晩焼いたCDを、母に最速で届けるための
ルートを追求したらこうなった。

朝。日課の散歩の時に、エコバッグを持つ。
中身は昨日焼いたCDと、油性マジック1本。
散歩の途中、ローソンでレターパックを買う。
そのローソンで宛名書きができればよかったのだが、
イートインスペースが無いので、仕方なくchocoZAPへ。

chocoZAPのデスクバイクを、アプリで予約して、
座って、漕ぎつつ、そしてレターパックの宛名を書く。
漕がない方が書きやすいが、
「一石二鳥」がデスクバイクのコンセプトなので、
なんとなく逆らえない。

さらに、外の雨で湿気ったレターパックに、
家から持ってきた年季の入ったマジックの組み合わせは
なかなか書きづらい。
ボールペンの方が良かったか…
もう、家に帰って書くか。
ちらっとそう思った時、今朝見た
「絶望ライン工」氏のショート動画にあった
コメント欄を思い出した。



ショートのタイトルは
「40代独身の悩み
　休日が暇すぎる」

タイトルの割に、楽しそうにしている
と思った（個人の感想）
しかし、コメント欄がすごかった。



「親の介護をしないといけなくなってからが本当の地獄。
　休日に出掛けられる事がいかに幸せか分かるよ」

思えば数年前、祖母が寝たきりになってから
施設に入るまでの数ヶ月間、
伯父が睡眠時間を削って介護していた。
最後には伯父も憔悴して、だいぶ痩せていた。

明日は我が身、と思いつつ
コメントの続きを読む。



「親の介護をしていた頃の方がまだ幸せだったという人もいる。
　家族が居る幸せ。
　天涯孤独になって本当の虚無が訪れ何をしても幸せ
　感じなくなった人」

それなら…

親孝行するなら今しかない。

うちの両親は、まだまだ元気だ。
意識もはっきりしていて、何か手伝ったら覚えていてくれる。
ありがとうと言ってもらえる。

だから、最速でポストに投函するために
家には帰らず、今この場で仕上げる。

そう思って、レターパックの宛名を書き上げる。
母の名を書き終わるまでインクがもってくれて、ほっとした。
残った差出人欄は、かすれていてもいいので、
気楽に書いた。

デスクバイクを降りて、外に出て
郵便ポストを目指した。